高校の頃に習った「前置詞+抽象名詞」の使い方、
覚えていますか?
意外と忘れがちなこの用法、
ここで一度おさらいしましょう。
目次
抽象名詞とは
そもそも「抽象名詞」とは何でしょうか。
これは、「具体的な形を持たない、概念的なもの」で、一般的に不可算名詞です。
例えば、性質、状態、感情、主義などがこれにあたります。
具体的には、
importance(重要性) / courage(勇気) / kindness(親切さ) / democracy(民主主義)
など。
前置詞 + 抽象名詞の意味・用法
「前置詞 + 抽象名詞」で、形容詞や副詞のように使うことができます。
1つ注意点があり、
「of + 抽象名詞」は「形容詞」
「with + 抽象名詞」は「副詞」
の役割を果たします。
また、「at / by / in / on」などでも、形容詞や副詞の役割で用いられるものもあります。
それぞれを見ていきましょう。
「of + 抽象名詞」の意味・使い方
「of + 抽象名詞」は、その文において形容詞の役割を果たします。
どういうことかと言いますと、
This is a matter of importance.
This is an important matter.
(これは重要な事柄だ)
上と下は全く同じ意味になります。
つまり「of importance」は直前の名詞を修飾し、
「important」という形容詞と同じ役割となるのです。
「of +抽象名詞」は、修飾する名詞の直後に置き、
形容詞に置き換える場合は、修飾する名詞の前に置いて限定修飾をします。
それでは、よく使われる慣用表現と例文を見ていきましょう。
慣用表現・例文
ビジネスメールでよく使われるのがこの辺りの表現です↓
・of help ( = helpful 役立つ)
I hope this might be of help to you.
= I hope this might be helpful to you.
(これがあなたの役に立つと良いのですが)
・of use (= useful 役に立つ)
I hope the attached files are of use to you with your report.
(添付の資料があなたのレポートに役立てば幸いです)
その他
・of value (= valuable 価値のある)
Your knowledge is of value.
(あなたの知識は価値がある)
・of worth (= worthy 価値のある)
We need to create something of worth.
(価値のあるものを創造しなければならない)
・of courage ( = courageous 勇気のある)
She stood up against her employer, and that was an act of courage.
(彼女は雇用主に立ち向かい、それは勇気のある行動だった)
「with + 抽象名詞」の意味・使い方
「with + 抽象名詞」は、その文において副詞の役割を果たします。
副詞というのは、名詞以外を修飾するものです。
例文を見てみましょう。
He passed the exam with ease.
He passed the exam easily.
(彼は簡単に試験に合格した)
「with ease」=「easily」という副詞と同じ意味・役割で使えます。
副詞は基本的に文中や文末など色々な場所に置けますが、
「with 抽象名詞」は文末(節末)に置かれることが多くなります。
慣用表現・例文
・with care (= carefully 注意深く)
These personal problems must be handled with care.
= These personal problems must be handled carefully.
(このような個人的な問題は慎重に扱うべきだ)
・with kindness ( = kindly 親切に)
She treated everybody with kindness.
(彼女は皆を優しくもてなした)
・with difficulty (= barely なんとか、やっとのことで)
I pulled myself up from the floor with difficulty.
(私はやっとのことで床から立ち上がった)
「その他の前置詞 + 抽象名詞」:副詞
「in + 抽象名詞」
こちらは文中・文末と色々なところに置かれます。
・in excitement (=excitedly 興奮して)
・in haste (= hastily 急いで)
・in particular (= particular 特に)
The dog jumped on them in excitement.
(犬は興奮して彼らに飛びついた)
They left in haste.
(彼らは急いで立ち去った)
Children in particular would love this park.
(子供は特にこの公園を気に入るでしょう)
「on + 抽象名詞」
・on purpose (= intentionally わざと)
・on time (= punctually 時間通りに)
She dropped her pen on purpose.
(彼女はわざとペンを落とした)
Trains in Japan always arrive on time.
(日本の電車はいつも時間通りに到着する)
「by + 抽象名詞」
・by mistake (= mistakenly 間違って)
The package was shipped to China by mistake.
(その荷物は間違って中国に送られた)
以上です^^