今回は、実はいろいろな使い方のある
「none」についておさらいしたいと思います。
目次
「none」の品詞と意味
「none」は、代名詞もしくは副詞として用いられます。
代名詞の「none」は、「no」の代名詞に相当するもので、
「何も~ない」「誰も~ない」という意味を表します。
副詞の「none」は特定の表現で使われ、
「none the less (それでも)」や
「none too ~(全く~でない)」といった使われ方をします。
代名詞の「none」
代名詞の「none」は、先行する名詞を受けて
「(そのうちの、それらの)誰も、何も~ない」ということを表し、
可算名詞、不可算名詞の両方を示すことができます。
また、主語にもなれば、目的語にもなります。
- There were many pupils, but none had a pen.
(沢山児童がいたが、誰もペンを持っていなかった)
- My sister got two candies, but I got none.
(妹は飴を2個もらったが私は1つももらえなかった)
「none」が単数・複数を表すとき
その意味からすると、「none」は「一つもない」のだから
「単数扱い」と思うかもしれませんが、
実は単数・複数両方を表すことができます。
- Dad always gives me some advice, but none ever helps me.
` (父はいつもアドバイスをくれるけど、どれも私には役立たない)
⇒「advice」は不可算名詞ですので単数扱いです。
ここでは「advice」を指す代名詞の「none」も単数として扱われます。
- He has many ideas, but none ever work.
(彼は沢山アイデアを持っているが、1つもうまくいかない)
⇒「idea」は可算名詞で、ここでは複数形で使われています。
代名詞の「none」が「ideas」を指す場合は、複数として扱われます。
「none of」の後ろは単数/複数?
「none of ~」で「~のうち誰も、~のうち何も…ない」を表すとき、
後ろに来る名詞は、一般的に
「不可算名詞であれば単数」「可算名詞であれば複数」が来ます。
ただし、「none of 」のすぐ後ろには、
・定冠詞の「the」
・所有格(my / your / their…)
・指示形容詞・代名詞(this / that / those / these…)
・目的格の代名詞(us / them / it…)
をとるのが基本となります。
これらの限定なしに名詞をすぐ後ろに置くことはできません。
〇 None of the apples were damaged.
×None of apples were damaged.
(リンゴは一つも傷つかなかった)
その他例文)
- Emma trusts none of us.
(エマは私たちをだれも信じていない)
- The patient showed none of those symptoms.
(患者はこれらの症状を一切しめさなかった)
- It’s none of your business!
(あなたに関係ないでしょ)
「none of」が主語の時、動詞は単数・複数?
「none of 」が主語になっているとき、
フォーマルなライティングにおいては「none of 」の後ろが単数でも複数でも
「none of ~ 」を単数とみなして、つづく動詞も単数動詞(三人称単数形)となります。
例文
- None of those products was tested beforehand.
(それらの製品は事前に検査されていなかった)
- None of these requests has ever been fulfilled.
(これまでこういった要望が実現されたことはなかった)
ただし、会話やカジュアルな場合では、
「none of 」の後ろが名詞の単数形であれば、つづく動詞も単数動詞、
「none of 」の後ろが名詞の複数形であれば、つづく動詞も複数動詞が用いられます。
例えば会話で「none of us is …」とすると、かたい響きになり、
「none of us are …」といったほうが自然な表現となります。
- None of my friends are interested in art.
(私の友達はだれもアートに興味がない)
- None of the students were happy about the news.
(その知らせを聞いて喜ぶ生徒は一人もいなかった)
「none」は「nobody」の代わりには使えない
「誰も~ない」という意味を表す「none」は、
「(特定の)複数の人、グループの中で”誰も~ない”」ということを表します。
対して、同じく「誰も~ない」を表す「nobody」「no one」は、
特定のグループの中でということはなく、
単純に「誰もいない」「誰一人として~ない」ということを表します。
このため、「none」は、特定のグループなどが明示されていないときの
「誰一人として~ない」という意味では用いられません。
例文)
〇 Nobody wants to waste their money.
× None wants to waste their money.
(無駄遣いしたい人は誰もいない)
〇 No one can do it!
× None can do it!
(誰もできないよ)
「none」は他の否定語と一緒には用いない?
「none」自体が否定の意味を含んでいますので、
他の否定語と一緒に使うと二重否定になってしまい、文法的に正しい文ではなくなってしまいます。
基本的には、「none」は他の否定語と一緒には用いません。
〇 Zoe doesn’t like any of us.
× Zoe doesn’t like none of us.
(ゾーイは私たちの誰も好きじゃないわ)
〇 None of the students passed the exam.
×None of the students didn’t pass the exam.
(試験に合格した生徒はいなかった)
※下の文だと「試験に合格しなかった生徒はいなかった(全員合格した)」
という意味になってしまいます。(そして不自然)
ただし!他の二重否定と同じように、
ネイティブの会話などでは、否定の意味を強調するために
他の否定語と一緒に用いる場合もあります。
- I didn’t want none of it!
(私はそんなのちっとも欲しくなかった)
通常は ×なので、そういう時もある、程度の理解でよろしいかと思います。
「none」は名詞の前に直接置けない
たまに、「no」とごちゃまぜになるのか、
そのまま名詞の前に置いてしまう間違いがありますが、
「none」は名詞の前に置くときは必ず「none of」の形をとります。
〇 There were no children in the park.
×There were none children in the park.
(公園には子供が誰もいなかった)
〇 None of the participants complained about the temperature.
×None participants complained about the temperature.
(温度について不満を言う参加者はいなかった)
イデオム「second to none」
「none」を使ったイデオムの「second to none」は
「second(二番手)」ではない=「同じくらい良い」もしくは「より良い」ということを表し、
「誰にも劣らない」「何にも劣らない」という意味になります。
例文)
- His cakes are second to none!
(彼のケーキは誰にも劣らないわ)
- Their service was second to none.
(あそこのサービスはどこにも負けていなかった)
以上、「none」の色々についてでした。