今回は、どっちが正解かイマイチ分からない

「and」や「but」「so」は文頭に置けるか問題について、

見ていきたいと思います。

 

「And」や「But」「so」は文頭に置けない?

 

文法書やライティングの授業などで、

「”and”や”but”などを文頭においてはいけません」と言われることがあります。

これは日本だけでなく、英語圏や他の国でもそうで、

多分このルールを習ってきた方のほうが現時点では多いのではないでしょうか?

 

この常識、最近ではどうやら変わってきているようです。

 

今は「and」や「but」を文頭に置いてもいい

 

結論から言うと、「and」や「but」などの等位接続詞を文頭に置くことは可能であり、

実際に「文頭に置いてはいけない」という文法ルールはない、

もしくはあったとしても昔の時代のものだ、という認識になっています。

 

ネット上で調べた限りでも、英語圏では、

このVOAの記事のように、等位接続詞を文頭に置くことはできるし、

文頭に「and」や「but」を使ったほうが良い時もある、というのが主流のようです。

 

また、例えばオックスフォード英語辞典などでも

接続詞とは、「a word that joins words, phrases or sentences(語や句、文を結ぶもの)」としています。

文と文を結べるということは、基本的に文頭に置いても問題ないということです。

 

I am a girl. And he is a boy.

(私は女の子。そして、あの子は男の子)

 

「文」とは、ピリオドや疑問符で終わっている言葉の塊です。

ピリオドなどを打つことで「この文はこれでおしまいですよ」と明確にしています。

その文と文をつなぐということは、接続詞は後ろに来る文の文頭にくるわけです。

 

したがって、下のような文章は、文法的には何の問題もありません。

 

I like cats. But my sister likes dogs.

I didn’t eat breakfast. So I was hungry.

 

では、なぜ「and」や「but」「so」を文頭に置いてはいけないと言われていたのでしょう?

 

「and」や「but」「so」を文頭に置くなと言われた理由

 

昔、英語の授業などで「and」や「but」を文頭に置くなと言われたのは

なぜでしょうか。

理由は、どうやら文法的な問題ではないようです。

 

英語初心者の方の英作文でよくみられるのが、「接続詞の多用」です。

例えば下記のような文。

It was sunny today. So I went for a walk. But I dropped my key somewhere. So I called my mom.

And I asked her to bring the spare key. But she was away on vacation.

(今日は晴れていました。だから、散歩に出かけました。だけど、どこかに鍵を落としてしまいました。だから、母に電話しました。そして、スペアキーを持ってきてほしいと頼みました。だけど、母は旅行に行ってしまっていませんでした。)

 

このような文を見ると、小学生が書いたような文に感じませんか?

そう、このように短い文と接続詞の組み合わせは、

知的レベルが一気に落ちたように感じてしまうのです。

 

これは日本語の作文でも同じことかと思います。

「今日は晴れていました。だから散歩に行きました」と書くより、

「今日は晴れていたので、散歩に行きました」と書いたほうがスッキリするし、

きちんとした文に見えますよね。

 

「短い文+接続詞+短い文」よりも「節+接続詞+節で1文」としたほうが

ぐんと質の良い文になるのです。

 

こういった理由で、「文の頭に接続詞をあまり置かないようにしましょう」と言われてきたのが、

理由の説明を端折って、

「文の頭に接続詞を置くのはNG」のように受け取られてしまった、というのが

経緯ではないかと考えられています。

 

「and」や「but」「so」を文頭に置いてはいけない時

 

上記で”使ってよい”とご紹介しましたが、

どんな文章でも使ってよいというわけではなく、

また、ネイティブの間でも意見の分かれる問題でもあります。

実際のところ、例えば「ロングマン英英辞典」などでも

「”and”を文章の頭に置くのは避けましょう」と明記してあります。(不可とは言っていない)

 

やはり、「短い文+接続詞+短い文」のような使い方は、非常にカジュアルに感じます。

書き言葉と言うよりも話し言葉といった印象なのですね。

ですので、フォーマルな文章、ビジネス文書や論文などでは

今現在でも文頭で使われることは少なく、一般的には避けたほうが良い、とされています。

代わりに「therefore」「however」などを使うほうが、

しっかりとした印象を与えます。

※ちなみに「therefore」「however」は「(接続)副詞」で、文頭に置ける。

 

個人的な意見としては、

古い「等位接続詞は文頭に持ってきてはいけない」という認識を持っている人もまだ沢山いると思います。

そのため、英検や各種試験のライティング、ビジネスでのやり取りなどで、

相手がどちらの認識を持っているか分からない場合は、

「therefore」「however」を使ったほうが安全であると思います。

 

逆に、ビジネスの場合でも、もっとフレンドリーなニュアンスを出したい、

気軽な文章にしたい、と言う場合は、

「therefore」「however」を使うと堅くなりすぎてしまうので、

「and」「but」を使っても良いでしょう。

 

「therefore」「however」の使い方については、

こちらも参照ください↓↓

 

★注意点★ 接続詞を多用するべからず

 

さて、ここまで「等位接続詞を文頭に使うことは可能」としてきましたが、

実はもう一つ問題として「日本人、英作文で接続詞使いすぎ」という問題があります。

 

英文では不要と思える場所にも接続詞を使ってしまう事が多いのです。

特に逆接の「but」などではない、順接の「and」や「so」を無駄に置いてしまって、

綺麗な文章に見えないことがよくあります。

例えば、

 

I like playing tennis. So I play tennis every weekend with my friends.

And I also like skiing. So I go skiing a lot during the winter season.

I couldn’t ski well at first, but I practiced hard.

And now I’m a very good skier.

 

 

この文章に使われている接続詞は、「but」以外すべて省略したほうが良い接続詞です。

省略すると、こうなります。

 

I like playing tennis. I play tennis every weekend with my friends.

I also like skiing. I go skiing a lot during the winter season.

I couldn’t ski well at first, but I practiced hard.

Now I’m a very good skier.

 

 

より簡潔で分かりやすい文章になったと感じませんか?

より良い文章を書くためには、

このように、

その接続詞が本当に必要かどうかも、考える必要がありますね。

 

まとめ

 

まとめ
・等位接続詞は文頭に置いても良い
・ただしフォーマルなライティングでは使わないほうが良い

 

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