「I visited a city named Bari. It was a beautiful city.」
ここで両方「a」が使われている理由、
分かりますか?
今回は日本人にとっての鬼門「冠詞」についての
おさらいです。
目次
冠詞とは
冠詞は「限定詞」のうちの1つで、名詞の前について、
その名詞の特性を表すものです。
種類は下の2種類あります。
- 不定冠詞 a / an
- 定冠詞 the
限定詞はこちら↓
不定冠詞と定冠詞
不定冠詞の a/an は、不特定の単数のものを表します。
簡単に言うと、特別でない1つのもの、につけます。
英語の「one」と同じ語源です。
話に初めて登場する物や人などには、こちらをつけます。
一方、定冠詞のtheは、特定のものを表します。
日本語の「その、あの、この」に近いもので、何かに限定されるものにつけます。
英語の「that」と同じ語源です。
既に話に出てきたもの、共通の認識化にあるものにはこちらを付けます。
不定冠詞と定冠詞の使い方の違い
この「a/an」と「the」の使い方の違いは下のようになります。
「a / an」は「one」と同じ語源ですから、「1つのもの」を表します。
ですので、数えられる名詞で1つのものにつく、のが基本です。
不可算名詞にはつかないので、「a water」や「a money」とはなりません。
「the」は「その、あの」ですので、
1つだろうが5つだろうが、
可算だろうが不可算だろうが、何にでもつけることができます。
基本は1度目は「a / an」2度目は「the」?
基本的な冠詞のルールに、一番最初にその名詞が出てきた時は「a / an」をつけ、
2度目以降は「the」をつける、というものがあります。
例えば、
I met a girl at school yesterday.
I asked the girl if she was a new student.
最初の文では、この女の子は初めて話に出てきて、当然話している相手も誰のことだか分からないので、不特定の「a」が付きます。
次の文では、最初の文ですでに話した女の子のことをいっているので、既述・特定の「the」がつきます。
他にも
I found a new restaurant near my office.
The restaurant looked really nice.
こちらでも、最初の文では、初めてそのレストランについて述べているため、
「a」がつきます。
次の文では、前述したレストランについて述べているので「the」がつきます。
しかし、これには誤解もあります。
なぜ2度目に出てきても「a」が付く時がある?
では、一番上で出てきた文はどうでしょうか?
I visited a city named Bari. It was a beautiful city.
2番目の文に出てくる「city」は、一番目の文に出てくる「city」と同じです。
同じcityのことを言っているように感じます。
文法的になぜ「the」ではないのか?という疑問が出てきます。
それは、
「It was a beautiful city」は「それは”美しい街”でした」と
「その町(It)が“美しい街(a beautiful city)”であったことを述べている」のです。
もし「It was the beautiful city」ですと、
「それが(その)美しい街でした」となり、
通常前後に何か他の情報があることが示唆され、
「その町(the city)のことを参照・説明している」文になるのです。
例えば、
I visited a city named Bari.
It was the beautiful city that I saw in my dream before.
(私はバリという名前の街を訪れた。そこは私が以前夢で見たあの美しい街だった)
のように、参照したり説明したりするときに「the」が付くのであって、
必ずしも1番目、2番目だから「a/an」「the」というわけではない、ということです。
「a/an」は新しい情報
不定冠詞を付けるのは、それが「新しい情報、まだ知らない情報」であるということです。
I met a girl at school yesterday.
She is a Japanese girl.
この文では「彼女は”日本人の女の子”」だという新しい情報を紹介しています。
I met a girl at school yesterday.
She was the girl who came from Japan.
こちらの文では、話している相手は「誰かが日本から来た」ということはすでに知っているという前提で話しており、
「その女の子が、日本から来た女の子だよ」と、
相手がすでに知っている情報=「日本から来た女の子」という情報を参照して説明をしています。
「a / an」を付けるのは、新しい情報を紹介する時
というポイントを押さえておきましょう。
その他に2度目でも「a / an」が付く時
上記以外にも、不定冠詞を繰り返して使う場合があります。
同じ名詞でも同じものを指さない(不特定の)とき
あくまで不特定のものを表すときは、不定冠詞「a/an」を繰り返して使います。
– Emily bought a bicycle. Now her sister also wants to buy a bicycle.
(エミリーは自転車を買った。なので妹も自転車を買いたがっている)
ここでは、妹が買いたい「a bicycle」は、エミリーの自転車ではなく
どういう自転車かはまだ分からない、不特定の自転車をさしていますよね。
こういった場合は、「a/an」をつけます。
もし「the」を付けた場合は、「エミリーと全く同じ自転車」を指すことになります。
(ただし実際には、繰り返す時は「a bicycle」は「one」に置き換えて使われることが多くなります)
その他例文
– We should dress properly. I need a tie, and you need a tie too.
(きちんとした服装でないと。俺もネクタイが必要だし、お前もだ)
– I baked a banana cake for her birthday. But Jane also brought her a banana cake.
(彼女の誕生日にバナナケーキを焼いたの。だけどジェーンもバナナケーキを持ってきたの)
総称として用いられるとき
「a /an+単数名詞」で、原則主語として用いられるとき、
その名詞の総称として使われることもあります。
例えば
– A bird can fly.(鳥は飛べる)
ここでの「a bird」は「鳥というものの総称」を表しており、一羽の鳥を表しているわけではありません。
この意味で使われるときは、不定冠詞「a/an」を繰り返して使えます。
– A bird can fly. But it is difficult for a bird to run.
(鳥は飛べる。しかし走ることは鳥には難しい)
– A baby needs a lot of sleep time. That’s why sleep training is necessary for a baby.
(赤ちゃんは沢山の睡眠が必要だ。それが睡眠訓練が必要な理由である)
以上です。
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