今回は、こちらも間違いの多い
「most」と冠詞の使い方について、
おさらいしましょう。
ちなみに【best】と【the best】についてはこちら↓
目次
【most】の品詞の種類
「most」は、実はいくつか意味があり、品詞も異なります。
副詞の「most」
まず、副詞の「most」は「最も~」「一番~」という意味で
使い方は以下3つに分かれます。
- 形容詞を修飾
- 副詞を修飾
- 動詞を修飾
また、これ以外に、形容詞・副詞を修飾して「とても」という意味で
使われることもあります。
形容詞の「most」
次に、形容詞の「most」は、通常名詞の前で名詞を修飾し
- ほとんどの、大半の
- 最も多くの
という2つの意味で使われます。
代名詞の「most」
最後に、代名詞の「most」は、
- 大半、大多数
- 最大数、最多量
という意味で使われます。
そもそもなぜ最上級に「the」がつくか
「最上級にはtheをつける」というのが、英文法では定石ですよね。
これはなぜでしょうか?
「最上級にはtheをつける」のは、その後ろにある「名詞」が
「複数のものの中で一番だよ」ということを表すためなんですね。
例えば、リンゴが10個あって、その中で一番美味しいリンゴ、といえば
10個のうちの1つを指しますね。
この(10個のうちの)1個に対してかかるのが、定冠詞の「the」であり、
「美味しい」という形容詞にかかっているわけではない、ということです。
– Fuji is the most delicious apple in Japan.
(フジは日本で一番美味しいリンゴです)
→他に色々あるなかで、最もおいしいものを1つ指す
– This is the most important job for us.
(これが私たちにとって一番大事な仕事です)
→数ある仕事の中で、もっとも大事なものを1つ表す
*ちなみに、名詞は「1つの塊としてみているもの」であればいいので、
後ろに複数形をとることも出来ます。
– These are the most delicious apples in Japan.
– These are the most important jobs for us.
では品詞ごとに「most」を見ていきましょう。
【副詞のmost】
-
形容詞を修飾する副詞の「最も~」
形容詞を修飾するということは、その形容詞は名詞を修飾しているということです。
その名詞が「一番だ」ということを表すので、
名詞を限定する(特定する)冠詞の「the」がmostの前につきます。
– That was the most exciting experience I’ve ever had.
(あれが今までで一番ワクワクした体験だった)
– He is the most hard-working person in our company.
(彼はうちの会社で一番の働き者だ)
-
形容詞が補語(叙述用法)で使われている時
形容詞が叙述用法で補語として使われているときは、注意が必要です。
1. The cost of accommodation is the most expensive among others.
2. The cost of accommodation is most expensive in summer.
1.は「the」が付いていますが、これは
The cost of accommodation is the most expensive (cost) among others.
のように、
「the most expensive」の後ろに「cost」が省略されているので
冠詞の「the」がつくのです。
「色々ある費用の中で、宿泊費が一番高い」つまり
先に説明した「複数のものの中で一番だよ」ということを表しています。
2.は、「宿泊費は夏が一番高い」ですから、宿泊費を他のものと比べているのではありません。
あくまで「宿泊費」という1つのものの状態が、夏に一番高い、といっているだけです。
他の時期と比べて、他の場所と比べて、など
「1つのものの状態を述べる時」は、冠詞はつけません。
-
形容詞、副詞を修飾するフォーマルな「とても」
ここでもう1つ注意が必要なのが、副詞の「most」は「very」と同じ意味でも使うことがあります。
これはフォーマルな表現ですので、カジュアルな口語ではあまり使われませんが、
形容詞・副詞を修飾することができます。
「とても」という意味なので、「複数のものの中で一番」ということを表すわけではありません。
したがって、こちらも定冠詞の「the」はつけません。
– Your painting is most impressive.
(あなたの絵は非常に素晴らしいですね)
– He solved the crime most easily.
(かれはいとも簡単にその事件を解決した)
しかし、この使い方には以下のような問題が発生します。
– I was most anxious about my wedding.
1.結婚式についてが一番心配だった。
2.結婚式についてとても心配だった。
この文章では「最も」なのか「とても」なのか、どっちなのかは分かりません。
意味的にそこまで大きな違いはない場合がほとんどかと思いますが、
どうしても区別する必要がある時は、前後の文脈で読み取る必要があるかと思います。
また、「とても」を表す「most」は不定冠詞の「a」を伴うこともあります。
「very」と同じなので、後ろが不特定の名詞がくる場合もあるからです。
– 2022 will be a most challenging year.
(2023年は非常に厳しい年になるだろう)
– My daughter is a most reliable person.
(私の娘はとても頼りになります)
-
副詞を修飾する副詞の「最も~」
副詞を修飾する場合で、その副詞が形容詞を修飾していなければ(つまり後ろに名詞がなければ)
基本的には「the」は必要ありません。
– This medicine works most effectively on cancer patients.
(この薬ががん患者にもっとも有効です)
– Takoyaki is most commonly eaten in Osaka.
(たこ焼きは大阪で最もよく食べられています)
-
動詞を修飾する副詞の「最も~」
動詞を修飾する「最も」という意味の「most」は、
「the」をつけても、つけなくてもどちらでも構いません。
文法的には、「the」を付ける必要はないのですが、
特に口語では「the」を付けることも多く、「the」を付けても非文(間違い)ではありません。
– My brother talks the most in my family.
(うちの家族では、兄が一番おしゃべりです)
– My son likes Japanese food most.
(息子は和食が一番好きです)
形容詞の「most」
ほとんどの =定冠詞「the」を伴わない
「ほとんどの」という意味の形容詞(数量詞)の「most」は、通常うしろは可算名詞であれば複数形をとり、
この時、定冠詞の「the」はつけません。
✖ Most evening I watch Netflix.
〇 Most evenings I watch Netflix.
(ほとんど毎晩ネットフリックスを見る)
✖ The most people voted for Peter.
〇 Most people voted for Peter.
(ほとんどの人がピーターに投票した)
「特定の人・物のほとんど」を表したい場合は「most of the」を使います。
ofの後ろの「the」を忘れないようにしましょう。
「most of my / our / their」なども使えます。
こちらもofの後ろの名詞は複数となります。(ちなみにこの「most」は代名詞)
– Most of the restaurants in Tokyo are close now.
(現在東京のほとんどのレストランは閉まっている)
– I’ve already used most of my savings.
(すでに貯金をほとんど使ってしまった)
最も多くの=定冠詞「the」はどっちもあり
「最も多くの」という意味で使われ、すぐ後ろに名詞をとる「most」は、
冠詞「the」を付けても付けなくても構いません。
名詞が特定のものであれば「the」をつけ、そうでなければ付ける必要はありません。
– Whoever scores the most points wins.
(最も多くの得点をあげた人が勝ちだ)
– Young people will be the ones to get most benefit from this program.
(この計画で一番恩恵を受けるのは若者たちだろう)
代名詞の「most」
代名詞とは「名詞の代わりをする語」ですね。
代名詞の「most」は、
・ほどんどの人、物
・最も多い人、物
を表します。
「ほどんどの人・物」=定冠詞「the」を伴わない
不特定多数を意味するため、特定のものを表す「the」はつけません。
– 30 people were injured; most were men.
(30人が負傷し、ほとんどは男性だった)
– She had a lot of symptoms, and most were the result of overwork.
(彼女は様々な症状があり、ほとんどは過重労働によるものだった)
「最も多い人・物」=定冠詞「the」を伴う
– The most we can expect is around 2 to 3 thousand spectators.
(私たちが見込める最大人数は、大体2~3千の観客だ)
→(最大で2~3千人ほどの観客を見込めるだろう)
– You should get the most from your spare time.
(空いた時間から最も多い物を得るべきだ)
→(空いた時間を最大限活用するべきだ)
– Just one cup of juice is the most that I can make with this blender at a time.
(このブレンダーで一度に作れるのは最大コップ一杯のジュースです)
ちょっと今回は長かったですね。
mostを使った文を書く際は、是非こちらをみておさらいしてみて下さいね。
※ちなみに、これらは全て基本的なルールで、
カジュアルな会話では「the」が省略されるという現象もよく起きます。
動画はこちら↓
【the most】と【most】冠詞をつける時・つけない時
その①#英文法 #冠詞 #英作文 #英検 #英検1級 pic.twitter.com/Xra0qB5yvG— うなぎ先生の英文法の復習 (@unagi01446720) 2021年8月8日
【the most】と【most】冠詞をつける時・つけない時
その②#英文法 #英作文 #冠詞 #英検1級 #英検準1級 pic.twitter.com/Obs5QoyEKA— うなぎ先生の英文法の復習 (@unagi01446720) 2021年8月9日
【the most】と【most】冠詞をつける時・つけない時
その③#英文法 #冠詞 #英作文 #英文日記 #英検1級 #受験英語 pic.twitter.com/OUCHnHsGce— うなぎ先生の英文法の復習 (@unagi01446720) 2021年8月10日
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