今回は、冠詞の付かないこの慣用句についておさらいしましょう。
無冠詞!慣用句「from A to B」
可算名詞は、基本的には冠詞が付くか、複数形になるかのどちらかですよね。
例えば「room(部屋)」は数えられる可算名詞ですので、
「a room」か「rooms」として使います。
しかし、「from A to B」の形で使われるときは、
AとBは可算名詞であっても「無冠詞+単数」となる場合が多くなります。
よく使われる表現を見てみましょう。
例)
– from room to room (部屋から部屋へ)
– from door to door (一軒ごとに)
– from top to toe (頭からつま先まで)
– from day to day (日々)
– from minute to minute (刻一刻、常に)
– from start to finish (初めから終わりまで)
– from beginning to end (初めから終わりまで)
他にも「from cover to cover (本の最初から終わりまで)」なんていう表現もあります。
また、「vary / change」などの動詞を伴って「~によって異なる、変わる」という意味で
– vary from student to student (生徒によって)
– vary from patient to patient (患者によって)
などの表現もあります。ここでも無冠詞となります。
なぜ冠詞がつかない?その理由
冠詞が付かない理由、それは「2つの同じ名詞が前置詞などを挟んで対になっている」ときには
慣用的に冠詞が省略されるからです。
例えば「face to face」や「side by side」などもその例です。
また、意味をとっても、非常に「抽象的な意味合い」の表現になっています。
例えば「from minute to minute」も、完全に1分ごとにという文字通りの意味合いではなく、
それくらい短い間で、ということを表しているわけです。
これは、以下の「冠詞が付く場合」と比べるとよくわかります。
冠詞が付く場合もある
では、「from – to」で冠詞が付く場合というのはどういう時でしょうか?
冠詞が普通につく場合も実は沢山あります。
特定のものを表すとき
その名詞が「特定のもの、こと」を表している場合は定冠詞を付けます。
例えば、
– How long does it take from the station to the school?
(その駅からその学校まではどのくらいかかりますか?)
この場合「特定の駅」から「特定の学校」までの距離を聞いているのですから、
特定のものを表す定冠詞の「the」が必要になります。
他にも、
– It’s around 10km from the airport to our hotel.
(空港からホテルまでは10キロほどです)
– There is no change from the previous exam to the next exam.
(次回のテストは前回のテストから変更はありません)
など。
AとBが文字通り何か特定の物事を表している場合には、冠詞がつきます。
商品などの範囲を表すとき
また、商品やサービスの幅や範囲を表すときに用いられる場合は、
「不定冠詞のa /an」が用いられたり、複数形を用いたりします。
例文)
– You can find anything from a classic novel to a comic book.
(古い小説から漫画本までなんでもそろっているよ)
– We sell a wide range of products from automobiles to vacuum cleaners.
(弊社は自動車から掃除機まで幅広い商品を扱っております)
以上「from – to」についてでした。