今回は、「would rather」の意味と使い方について
おさらいしたいと思います。
【would rather】の意味、使い方
「rather」は「むしろ」という意味の副詞ですが、
助動詞「would」を伴って、「would rather」という組み合わせでもよく使われます。
「would rather」には2パターンあり、
1つは、より一般的な
・would rather do A than do B
意味:(BよりもむしろAをしたい)
2つ目は、
・would rather S + V
意味:(むしろ~だったらいいのに)
になります。
今回は、あまり知られていない2つ目の「would rather S + V」から見ていきましょう。
【would rather + 節(S+V)】誰々に~してほしい
「would rather + 節(S+V)」の意味
「would rather + 節(S+V)」は、「誰々に~してほしい」
「誰々が~ならいいのに」という意味を表します。
つまり、登場人物が2人以上いるときに、「would rather + S V」という表現が使われ、
「A would rather B ~」で、「Aさんは、Bさんに~してほしい」「Aさんは、Bさんが~してくれたらいいのにと思っている」
という意味になります。
例えば、「私は彼女に~してほしい」「彼は私たちに~してほしくない」などといった状況で用いられます。
「would rather + 節(S+V)」の用法
「would rather + 節(S+V)」は、その使い方が問題です。
「would rather + 節」を用いるとき、
現在もしくは未来のことを表す時は「過去形」、
過去を表す時は「過去完了形」を用います。
つまり、「would rather」の後に「仮定法」が使われているということです。
試験でひっかかりやすい部分ですので、しっかりおさらいしましょう。
「would rather + 仮定法過去」:現在・未来を表す
では、現在や未来を表す場合の例文を見てみましょう。
過去形を用いるのがポイントです。
– I would rather we went to Hawaii this summer.
(今年の夏はハワイに行きたい)
– We would rather she told us the truth.
(彼女が本当のことを言ってくれたらいいんだけど)
– I would rather you did not go out at night.
(あなたに夜に外出してほしくない)
稀にですが、同じ意味で仮定法現在が用いられる場合もあります。
但し、基本は仮定法過去を用います。
(仮定法現在の例文は下の否定文セクションを参照願います)
「would rather + 仮定法過去完了」:過去を表す
「~だったらよかったのに」のような「過去」を表す場合は、
過去完了形を用います。
– I would rather she had married Ted.
(彼女がテッドと結婚したならよかったのに)
– I would rather he had not come to the party.
(彼がパーティーに来なければよかったのに)
但し、過去について表したい時は「would rather + 過去完了」よりも「wish」を用いた仮定法を用いるほうが一般的です。
– I wish he had not come to the party.
(彼がパーティーに来なければよかったのに)
注意!「would rather + 節」の否定文
「would rather + 節(S+V)」は、「~してほしくない」「~でなかったらいいのに」といった
否定文としてよく使われます。
その際の注意点として、
「would rather A (than B)」の否定文は「would rather not A (than B)」となりますが、
「would rather+節」の否定文では、節の中に否定語が来ます。
主節には否定語は付けないので、気を付けましょう。
✖ I would rather not you went out at night.
✖ I would not rather you went out at night.
〇 I would rather you did not go out at night.
その他の例文も見てみましょう。
– Those are the pictures that teachers would rather you didn’t see.
(これが、先生があなた達に見せたくない写真です)
– Tom’s parents would rather you didn’t compare him to others.
(トムの親は、トムを他の子たちと比べてほしくないと思っている)
また、こちらも稀に、現在・未来のことを表すときに
仮定法過去ではなく、仮定法現在を用いる時もあります。意味は同じです。
その場合の否定文は、節の中に「not」のみを置きます。
– I would rather you not call me.
(私に電話してほしくないですね)
仮定法現在はこちら↓
【would rather do A (than do B)】 むしろ~したい
「would rather do A (than do B)」の意味・用法
さて、よく使われる形の「would rather do A (than do B)」は、
「would rather + 節」に比べるとシンプルで、
主語(登場人物)が一人の時に用いられる表現です。
意味は「主語は(Bよりも)むしろAしたい」となり、
「than B」の部分がないことも有ります。
「than B」がある場合は、このAとBの関係が逆にならないように注意が必要です。
また、「would rather」の後ろにくる動詞は、他の助動詞と同様に
「動詞の原形」となります。
例文)
– I would rather stay at home tonight.
(今夜はむしろ家でのんびりしたい)※(than B)がないバージョン
– I would rather order some pizza than eat out.
(外に食べに行くよりむしろピザでも取りたい)
– She would rather die than apologize.
(彼女は死んでも謝らないだろう←謝るより死ぬ方がましだ)
動名詞のみやto不定詞は間違いなので注意です。
✖ She would rather dying than apologizing.
✖ She would rather to die than to apologize.
ただし、進行形を使うことは可能です。
その場合はAの部分には「be doing」とbe動詞を伴って表し、
「than」の後ろは「doing」とing形のみを置きます。
– I would rather be drinking than eating.
(食べるよりむしろ飲んでいたいよ)
「would rather do A (than do B)」の否定文
「would rather do A (than do B)」の否定文は、
「どちらかというと~したくない」という意味や、
控えめな断りのニュアンスを表す時に用いられます。
「not」は「would rather」のすぐ後ろに置きます。
例文)
A : What’s your name?
B : I’d rather not say…
A(名前は何?)
B(ちょっと言いたくないな)
A : Hey, do you want to go for a drink later?
B : Thanks, but I’d rather not.
A(ねぇ、後で飲みにいかない?)
B(ごめん、やめておくわ)
以上、「would rather」についてでした。