今回は「as」が関係代名詞の一種として用いられる用法についてです。
各種試験でも狙われてくる部分ですので、
しっかりおさらいしておきましょう。
また、同じ疑似関係代名詞の「but」についてはこちら↓
目次
「as」の「疑似関係代名詞」の意味・用法
「as」は基本的には「接続詞」であるというのはご存じかと思います。
(「as small as」などの時は副詞ですが)
この接続詞の「as」の後にくるべき代名詞が欠落し、
「as」自体が代名詞と接続詞の役割を兼ねるものを
「疑似関係代名詞」と呼びます。
意味と使い方は主に下記の2つで、
・主節全体やその一部を先行詞とする「as」の用法
・「the same」「such」などと一緒に用いられる「as」の用法
になります。
「主節全体やその一部」を先行詞とする「as」の意味・用法
用法:
テストでよく間違えやすいのが、この主節を先行詞とする「as」です。
主節の全体、もしくは主節の一部を先行詞にとりますが、
「as」の節が主節の前にくることもあるため、注意が必要です。
関係代名詞ですので、asから続く節は「不完全文」になります。
主語ないし目的語が欠落してる点にも留意しましょう。
「as」の後ろに「that」などの代名詞が省略されていると考えると、分かりやすくなります。
意味:
意味は「~ではあるが」「~であるように」「~であるとおり」などのニュアンスを表します。
例文:
He denied his allegation, as was expected.
(予想はしていたが、彼はその疑惑を否定した)
→ He denied his allegation, and that was expected.
She has a lot of experience in this area, as her CV shows.
(職務経歴書からも見て取れるように、彼女はこの分野で非常に経験を積んでいる)
→ She has a lot of experience in this area, and her CV shows that.
※「as」の節が後ろに来ても、日本語に訳す際には前に来ることが多くなります。
As was initially believed, police said there was no casualty.
(当初から考えられていた通り、警察は被害者は出なかったと発表した)
As is apparent above, our sales have been increasing.
(上でも分かる通り、我々の売り上げは増加しています)
※「as」の節が前に来ても、主節をとり間違えないようにしましょう。
慣用表現:
「as is often the case」や「as is usual for/in …」などは慣用的表現で
よく使われるので、このまま覚えてしまうと良いかと尾も増す。
As is often the case with such events, it started late.
(こういったイベントにはよくあることだが、開始時間が遅れた)
She didn’t show up at the drinking party, as is often the case.
(彼女は飲み会に来なかった。よくあることだが)
Mr. Nakata, as is usual for him, has not submitted the report.
(いつものことなのだが、中田さんはまだレポートを提出していない)
It has been raining continuously for a week now, as is usual in Spring.
(春はいつもそうだが、ここ一週間雨が降り続けている)
「the same」「such」などと一緒に用いられる「as」の用法
「~と同じく」「~のような」という意味で、普段も何気なく使っている表現ですが、
これも実は疑似関係代名詞なのです。
こちらも、asに続く節が「不完全文」である点に注目しましょう。
「the same A as B」
意味:
意味は「Bと同じA」となり、asの節にあるべき代名詞を、asが兼ねています。
「same」の後ろに名詞を伴い、それがasの先行詞となります。
関係代名詞の「that」に置き換えることも出来ます。
例文:
I have the same bag as you saw in the magazine.
(その雑誌に載っていたのと同じバッグを持ってるよ)
→ I have the same bag that you saw in the magazine.
→ I have the same bag. You saw it in the magazine.
We went to the same high school as Michelle did.
(私たちはミシェルと同じ高校に通っていたの)
We didn’t have the same perspective as we have now.
(今と同じような考え方は持っていなかった)
「as A as B」
意味:
「as A as B」は「Bと同じくA」という意味です。
Aの前にある「as」は副詞で、後ろの「as」が関係代名詞となっており、
副詞は「名詞を修飾しない」ため、最初の「as」の後ろには「形容詞+名詞」などが置かれます。
例文:
You should drink as much water as I drink.
(あなたも私と同じくらいお水を沢山飲んだ方がいいわよ)
They are learning as difficult vocabulary as sophomores do.
(彼らは2年生が習うような難しい語彙を習っている)
※「vocabulary」は通常不可算名詞。
「such A as B」
意味:
「such A as B」は「BするようなA」という意味で用いられます。
例文:
Such programs as you normally watch are not fit for children.
(あなたが見ているような番組は子供にはふさわしくない)
You should buy such a refrigerator as big families use.
(大家族が使っているような冷蔵庫を買うべきよ)
以上、今回はトリッキーな疑似代名詞の「as」でした。