英検1級のライティング対策は二次面接対策にもなると
下の記事で書きましたが、
それでも1次試験を通過したら、二次試験に特化した準備が必要ですよね。
ここでは、私が個人的に行った準備や所感をお伝えしたいと思います。
目次
英検1級の二次試験とは
英検1級の筆記試験を通過したら、晴れて二次試験へと進みます。
通常、1次試験から1ヵ月~1ヵ月半後の日程になります。
100%英語のみでの面接、スピーチになります。
2次試験は年齢によって日程が分かれていて、
21歳以上の受験者は通常後の日程なので1週間~2週間も差があります。
レベル的に20歳以下の受験者さんは少ないかと思いますが、
年取っててよかったと思った瞬間です。
私の場合、1次試験前は1次試験の勉強しかしていなかったので、
試験後「一次試験解答速報」が出た時点で自己採点をして、
合格が分かってから2次試験の準備に取り掛かりました^^;
なので、大分ぎりぎりだったのですが、まぁそれも不可能ではないという感じですかね。
でも次受けるならもう少し前からきちんと準備したほうがいいな、と思っています。
二次試験の流れ
二次試験会場につくと、指定の教室でまずは待機します。
そして、「○○番~○○番の方移動してください」のような合図があり、
言われるがままに、面接室の前に移動します。
この時が緊張マックスです。
そして、自分の番になったら、部屋の中に呼ばれます。
中には面接官2人(日本人1人・ネイティブ1人)とタイムキーパーのバイトさんらしき人がいます。
時間についてはこのタイムキーパーさんがきっちり測っていますので安心(?)です。
そして、
- 自由会話(自己紹介とスモールトーク)約3分
- トピックカードを伏せた状態で渡される
- トピックカードをひっくり返して凝視(1分)
- スピーチ開始(2分)
- Q&A(4分)
で終了となります。全部で10分間です。
10分とは言いますが、感じる時間は思った以上に長い!
(あとトピックカードを見る時間がめっちゃ短い)
自由会話(フリートーク)
まず、最初のフリートーク、これが思っていたより長く感じました。
私としては、簡単な自己紹介くらいでサクッと終わるのかな~と思っていたのですが、
結構いろいろ質問されます。はい。
私の場合では、フリートークはネイティブの面接官が質問をしてきました。
(私がある程度用意していた自己紹介を終えると)
自由時間は何をしているのか?
(私がヨガをしたり映画を見ると言ったら)
どんな映画が好きか?
一番面白かった映画は何か?
など。
ですので、自分の用意する自己紹介プラス、
自分の好きな事をやや掘り下げて準備しておくとより良いかと思いました。
(私はそのあたり何も準備していなかったので、一番面白かった映画が思いつかず頭の中であたふたしました)
とにかく、あなたの答えに対して、より突っ込んだ質問をしてくると思っておくと良いでしょう。
トピックカードを渡される
フリートークが終わると、おもむろにトピックカードを渡されます。
合図があるまでは伏せた状態にしておきます。
合図されたら、ひっくり返して、
「5つあるお題の中から、どれを選択するか」を決めます。
ここでは、トピックを決めるだけでなく、スピーチの準備、すなわちどうスピーチを組み立てるかも考えなければなりません。
スピードとの勝負です。
自分の脳みその最大回転速度が要求されます。
もし5つのトピックの中に、自分の準備していたお題があればラッキーですが、
そうでない場合、ここで非常に悩みます。
だって、1級ですから、どれも全部難しいお題なのです。
簡単なのはひとつだってありやしません。
とにかく、自分が準備している中で何か使えそうなのを判断して
1つ選ぶしかありません。
ここでは、割とトピックは違っても使いまわしのきく要素(男女平等、富の格差、環境問題、健康問題、国際協力、テクノロジーの進歩の弊害など)は準備しておいて損はないな、と思いました。
少し無理やりでも、何も言うことがなければ、そっちになんとか結び付けて話す、ということもトピックによっては出来なくはないと思います。
私の場合は、まずぱっと見、行けそうと思えるのが1つもありませんでしたので、この時点で大分焦りました(多分5つ全部確認してすでに30秒ほど経過)
ですが、とにかく早く決めて、理由2つを頭の中で考えなければなりません。
しょうがないので、自分が準備していたものを少しひねれば使えそうな1つを選び(ここで残り10秒くらい)
ほとんど頭が真っ白になる直前みたいな状態でスピーチ開始の合図となりました。
スピーチ開始
スピーチとは、つまり、はったりです。
どんなに緊張していようが、頭の中がからっぽだろうが、
何しゃべっているか自分でもわからないような状態であろうが、
- ゆっくり
- 落ち着いて
- 堂々と
話すことが求められます。
これは、TEDトークを見て練習するのがよいですね。
プレゼンテーションの時の話し方、あれがよいスピーチの仕方です。
英検の二次試験のようなスピーチは、内容の良し悪しよりも
スムーズで正しい英語で、相手に伝わるように話が出来ているか、
が重要であると思います。
ですので、自分が話す中身がないカスカスの状態でもそこまで悲観する必要はありません。
いかにも自信満々に、あたかも良いことを言っているかのよう、振る舞うのです。
この辺りは、スピーチなれしていない日本人にはハードルが高いです。
少なくとも人前で話すことが大の苦手な私は、素ではできないです。
ほとんど演劇の練習みたいな感じで私は練習していました。
TEDトークでこれはかっこいいと思う人がいたら、その人の話し方や目線の送り方、身振り手振りまで完コピしてみると、コツが掴めると思います。
スピーチが始まったら、
- 間を開けすぎない
- 「えー」とか「あー」とかをなるべく言わない
- なるべく2人の面接官の目を見て話す
などに気を付けると良いでしょう。
具体的な準備については、後述します。
質疑応答(Q&A)
2分経つと、合図があり、質疑応答へと移ります。
面接官は、「あなたの述べたことに対して」つっこんできます。
ええ、面接官はちゃんと聞いています。
そして、あなたの論点の矛盾点をついてきます。
それをどうやって説明するのか、論破するのか、それが質疑応答です。
例えば、「Should students be asked to evaluate their teachers?」で、
・先生のやる気があがるから
・より良い教育をうけることができるから
と回答したとしましょう。
すると、面接官は、
「評価の低い先生のやる気がなくなりませんか?」
「人気のある先生のみがより良い教育者だと言えますか?」
といった質問をしてくるのです。
完全にあなたのスピーチの内容にフォーカスして聞いてくるので、
そこまで準備できればいいですが、ほとんどの場合は出たとこ勝負になるかと思います。
ここは「心は詐欺師」になるしかありません。
どれだけ自分の言っていることがめちゃくちゃでも、それらしい理由や言い訳を考えて逃げ切るのです。
それから、一旦「確かにそうですね」と面接官の突っ込みを受け入れるのもいいと思います。
例えば、
「評価の低い先生のやる気がなくなりませんか?」
と言われたら、
「確かにそうですね。評価の低い先生のやる気はなくなるかもしれません。
しかし、先生のやる気を維持するのは生徒の仕事ではありません。自分でやる気を維持できない先生はやめるべきではないでしょうか」
のように、一度面接官の質問をきちんと受け取ってから、自分の意見を付け足すと、
きちんと質問を理解していることも示せるので良いかと思います。
また、あまり答えが短いと(例えば1センテンスのみなど)、
すぐ他の質問をされてしまうので、答えも理由を含めて3~4センテンスはあったほうがよいでしょう。
ちなみに、もし質問が聞き取れなかったり、確信が持てなかったりしたら
躊躇せずに聞き直しましょう。
「Sorry, could you please repeat that again?」
「Sorry, could you please say that again?」
このように聞き返すことは通常の会話でもよくあることです。
相手の質問があやふやなまま自分の答えを言うより、もう一度聞くほうがよっぽど良い印象を与えるでしょう。
また、一番大切なのは、質問してきた面接官の目を見て話すこと。
たまにもう一方の面接官にも目を向けると良いかと思いますが、
基本的には質問してきた面接官に対して、答えましょう。
質疑応答のヒントまとめ
- 屁理屈でもいいので言い逃れる(無言にならない)
- 場合によっては面接官の突っ込みを一度受け入れる
- 1つの答えは3~4センテンスほど
- 質問が理解できなかったら聞き返す
- 質問してくる面接官の目を見る
タイムキーパーから終了の合図があり、 お疲れさまでした、となります。
2次試験の準備
では、2次試験に向けてどのように準備すべきなのか。
①ライティング用のネタを丸暗記
まずは、1次試験のライティング用に準備していたものを、
音読して丸暗記することです。
1次試験を受かっているので、内容はほとんど頭に入っている状態だと思います。
発音の怪しいところはないか、ノートを見ないでもスラスラと話すことができるか、
自分で納得できるまで練習しましょう。
ライティングは理由が3つありますが、スピーチでは時間的に2つの理由のみを述べます。
ですが、3つとも全て練習・暗記しておきましょう。
まったく同じトピックはほぼ出ないでしょうし、あまり関係ないと思われるトピックでも、どこかで1つが使える、ということもあるかもしれません。
とにかく、理由のストックは数が多ければ多いほど良いと思います。
②2分以内に収まるよう練習
内容が暗記出来たら、それぞれのトピックについて理由3つのうちから2つを選んで、2分以内でスピーチする練習が必要です。
スピーチの構成はライティングとほぼ同じです。
- 自分の意見、賛成か反対かなど
- 理由その1
- 理由その2
- まとめ(以上の理由で~です)
もし言い終わらないうちに2分が過ぎてしまうと、途中で切られてしまうので
あまり詰め込みすぎずに簡潔に理由を述べる必要があります。
1つの理由とその根拠で3、4センテンスほどが良いでしょう。
これを音読してみると、大体1分30秒ほどだと思います。
実際の面接では、頭の中で考えながらスピーチしていますので、
音読よりも間が出来たり、すこし遅くなったりします。
ですので、これくらいでちょうどいいと思います。
逆に、早く終わり過ぎてしまう方は、少しゆっくり目に話すと良いかもしれません。
よっぽど綺麗な発音で完璧なアクセントでないかぎり、
早口で話すと、相手に理解してもらえないこともあります。
1つ1つの文を丁寧に、カンマやピリオドでは一拍あけて、スピーチしましょう。
また、スピーチ練習は、ただ音読するだけではだめです。
面接官に向かって話し掛けているイメージを常に持つことが重要です。
好印象を与える話し方、というのも大事です。
暗い顔でよそ見をしながら話していたのでは印象が悪くなります。
自分がプレゼンをしているイメージで、練習をしましょう。
練習のコツ
- 必ずタイマーを用いる(2分以内)
- 話す速さに気を付ける(早口になりすぎない)
- カンマやピリオドでは一拍おく
- 相手に話しかけるように練習する(音読ではない)
③過去問、模擬問題を片っ端からやる
さて、自分の手持ちのネタを全部暗記し、練習が終わったら
それ以外の過去問や模擬問題に移ります。
インターネットで検索すると、過去に出題されたトピックや
模擬問題を掲示してくれるサイトがあります。
それらを用いて、ぶっつけ本番同様に、事前準備なしで時間を計ってやります。
この「時間を測る」ということは、思っている以上に重要ですので、必ずやりましょう。
できれば、オンライン英会話などのフリートークなどを使って、
誰かに聞いてもらいながらやると、より良いかと思います。
私の場合は、オンライン英会話で相手の先生に
・こういう試験の準備をしていて、その練習をしたいから、スピーチを聞いてほしい。
・そのスピーチの内容に関する質問を、できれば2つしてほしい。
・間違いやアドバイスがあれば、スピーチの後で教えて欲しい
と伝えて、時間を計って本番と同じようにスピーチの練習を沢山しました。
スピーチと質疑応答が終わって、先生から特に何も言われないような時は、
・全体の文章は分かりやすかったか
・発音の間違いはなかったか
・話すスピードは適切だったか
・声の大きさは問題なかったか
などの意見を聞くとより良いでしょう。
「フィラー(えーとかあーとか)が多いですね」なんて言われるかもしれません。
フィードバックをどんどん取り入れていきましょう。
ぶっつけ本番と同じですので、トピックに対して事前準備はしません。
結構ボロボロのスピーチになってしまうこともあります。
でもそれは練習ですので、問題ありません。
スピーチの練習が終わった後に、そのトピックに対して自分でおさらいをして、きちんとした理由を作り直して、また練習する、というのを行います。
この順番が大切です。
まずは準備せずに本番同様にスピーチ。
その後で、書き出しながらしっかりとスピーチの文を練り直す。
こうすることで、本番の練習と、スピーチの更なるネタのストックが積み重なっていくのです。
④本番へ
やることをやったら、あとは「Take it easy!」です。
面接というのはとにかく緊張します。
緊張すると早口になったり、目が泳いだりします。
なるべく自分をリラックスできるよう、ポジティブにいることが大切かと思います。
以上、是非参考になさっていただければと思います^^
こちらもおススメ