日本人がいつも間違えてしまう、
この「this is my first time ~」問題。
後ろに to不定詞がとれない!?
ここで一度、一緒におさらいしましょう。
目次
【my first time/ the first time】の後ろは「to不定詞」NG
「It is difficult for me to understand.」のような構文と非常に似ているために間違えやすいのですが、
実は「my first time/ the first time」の後ろには、to不定詞を持ってくることは出来ません。
(まれにOKとするネイティブもいるようですが、一般的には使われません)
「~するのは初めて」と表現したい時は、通常「ing形」か「(that)SV節」を持ってきます。
また、後ろに「ing形」を用いるときは、「所有格」+「first time」
「(that)節」を用いる時は、「the first time」となりますので、
ここも細かな注意が必要です。
例を見てみましょう。
✖ This is my first time to have an online class.
〇 This is my first time having an online class.
〇 This is the first time that I have had an online class.
(オンライン授業を受けるのはこれが初めてです)
後ろに場所が来るときは、場所をそのまま持ってきてもOKです。
✖ This is my first time to visit Japan.
〇 This is my first time in Japan.
〇 This is my first time visiting Japan.
〇 This is the first time that I have visited Japan.
(日本に来たのはこれが初めてです)
ここでなぜ現在完了形を使うのかは、下記の時制のところでご説明します。
なぜ「to不定詞」がNGか
そもそも、なぜ「ing形」はOKで、「to不定詞」がNGな理由はなんでしょうか。
これは個人的考察ですが、まずは「ing形」と「to不定詞」の違いがあるのではと思います。
「ing形」と「to不定詞」の違いで常に言われることですが、
「ing形」は、「動作の最中」つまり「その時にしていること」
「to不定詞」は、「未来志向」つまり「その時点より先に起こること」
を一般的には表すという基本的な違いがあります。
「~するのはこれが初めてです」という時、
一般的には、「すでに~している」もしくは「今まさに~するところだ」
という状況ですよね。
例えば、今現在カナダに遊びに来ていて、
お土産屋さんなどで「カナダは初めて?」と聞かれたら
すでにカナダに来ている、カナダに滞在しているわけですから
– Yes, this is my first time coming to Canada.
となるわけです。
ここで「未来志向」の「to不定詞」がくると、すでに来ているわけですから
ニュアンスがちぐはぐになってしまいます。
また、下に出てくる「this will be the first time」の後ろも、一般的には「to不定詞」は用いられません。
未来なのにどうして?と思われるかもしれませんが、
「これが初めてになるだろう」という時は、その時点でそうなることがほぼ決まっていているわけですから、
「未来に~するだろう」というニュアンスではないわけです。
こういった感覚で、「to不定詞」が使われないのではないかと、
個人的には考えております。
【first time】と時制
「~するのが初めて」という表現は、その時制によって、
若干表現が変わってきます。
現在のことを表すとき
現在のことを表すときは、
「this is the first time + 現在完了形」
「this is the first time +ing了形」で表します。
✖ This is the first time we meet.
〇 This is the first time we have met.
(お会いするのは初めてですね)
なぜ現在のことを表すときは、「現在完了形」を使うのでしょうか。
日本語の感覚ですと「現在形」を使うんじゃないの?と感じる方もいると思います。
「This is the first time」のフレーズでは、「今までは~したことがなかったが、今初めて~を経験する」という
「経験」のニュアンスで、この「現在完了形」が用いられます。
また、上の例でいえば、この時点でこの人たちはすでに「会っている」わけですよね。
既に「会っている」のに、現在形にしてしまうと「これから会う」ようなニュアンスになってしまうので、NGということになります。
他の例を見てみましょう
– This is the first time that you have talked to me.
(あなたに話しかけられたのは初めてよ)
– This is the first time that I have been to a Mexican restaurant.
(メキシコ料理のお店に来たのはこれが初めてです)
「ing形」は動詞のing形で、「having 過去分詞」とはなりません。
✖ This is her first time having eaten Sushi.
〇 This is her first time eating Sushi.
〇 It is her first time eating Sushi.
(彼女はお寿司を食べるのは初めてです)
「ing形」を使うときは「this」の代わりに「it」を使ってもほぼ同じです。
「S + 現在進行形 + for the first time」で表すことも出来ます。
この時、現在形にはできませんので、注意が必要です。
✖ I learn French for the first time.
〇 I am learning French for the first time.
(初めてフランス語を勉強している)
なぜ現在形が間違いかというと、現在形というのは「いつも~するよ」という
「習慣」や「恒常的なもの」を表すものです。
「初めて」というのは、最初の1回のことであるのに対し、
「いつも勉強しているよ」は何回もしていることを表すわけですから、意味合いが合致しなくなってしまいます。
ですので、この場合は「勉強しているまさに今が初めてだよ」ということを表すために、現在進行形を使うと自然な表現とになります。
未来を表すとき
これから先に起こることを指して、それが初めてだと言いたい時は
「this will be 所有格 first time + ing形」や
「this will be the first time + S + 現在完了形」や
「this will be the first time + S + will」としたり
「S will/be going to ….. for the first time」と表現したりします。
なぜ未来形に現在完了?と思われるかもしれませんが、
ここでも現在完了は「経験」を表し、
「未来の時点で、初めての経験だ」ということ表すのです。
〇 This will be their first time performing at the stadium.
〇 This will be the first time that they will perform at the stadium.
〇 This will be the first time that they have performed at the stadium.
〇 They will perform at the stadium for the first time.
(彼らがスタジアムで演奏するのはこれが初めてとなります)
その他、未来を表す時は、that節の中は「現在形や未来完了形」なども使われ、
細かいニュアンスの違いなどはあるのかもしれませんが、
ほぼ同じ意味で使われています。
また、「can」などの助動詞も使われます。
– This will be the first time that this event is held outside the UK.
(この行事がイギリス以外で開催されるのはこれが初めてとなる)
– This will be the first time that 18-year-olds can vote in Japan.
(日本で18歳が投票できるようになるのはこれが初めてとなります)
– This will be the first time that the two parties will have met at the highest level.
(双方の上層部が顔を合わせるのはこれが初めてとなる)
未来を表すときは「this」を「it」にしても同じです。
過去を表すとき
「~するのが初めてだった」と表したい時は、
「it was 所有格 first time + ing形」もしくは
「it was the first time…過去形/過去完了形」と表現します。
「S 過去形 ….. for the first time」も使います。
– It was our first time working together.
(一緒に働くのはそれが初めてだった)
– It was the first time he drove a manual car.
(彼がマニュアル車を運転したのはそれが初めてだった)
– It was the first time I had met him.
(彼に会ったのはそれが初めてだった)
– It was the first time that children could swim in the swimming pool.
(子供たちがプールで泳げるようになったのはそれが初めてだった)
– I went to Long Beach for the first time.
(ロングビーチに初めて行った)
主節が過去形になるので、「have 過去分詞」は「had 過去分詞」に、
「can」は「could」に変わります。
また、前文を受けて「This was…」と言っても問題ありませんが、
一般的には過去のことを表すときは「it was」のほうが使われます。
【this is a first time】はNG
「~するのが初めて」と表現する時、「first time」の前に冠詞を付ける際は
不定冠詞の「the」か所有格をおき、「a」を付けることはありません。
また、後ろに節が来るときは、所有格でなく「the」になるので注意が必要です。
✖ This is a first time that I have watched this movie.
✖ This is my first time that I have watched this movie.
〇 This is the first time that I have watched this movie.
〇 This is my first time watching this movie.
(この映画を見るのはこれが初めてです)
【second time / third time】でも同じ
「first time」が「second time, third time…」などになっても使い方は同じです。
また、「time」以外の名詞がきても同じです。
– This is the fifth time you have missed our meetings.
(あなたが会議に来なかったのはこれで5回目ですよ)
– It was the first trip we had traveled with our babies.
(赤ん坊を連れて旅行するのはそれが初めてだった)
少し長くなりましたが、以上です^^