日本語で「犠牲」と表現する時に、
実は英語では異なった表現が色々あります。
今回は色々な「犠牲」についておさらいしましょう。
目次
日本語の「犠牲」の意味
日本語の「犠牲」には主に2つの意味があり、広辞苑によると
1つは「ある目的のために損失と顧みないこと」
2つめは「自分の意志によらず戦争・天災・事故などで生命を失ったり傷ついたりすること」
となっています。
この異なる2つの意味があることで、英語にする時に混乱が生じやすいのです。
【sacrifice】の意味・使い方
「sacrifice」は「他の人・物のために、大切なものをあきらめること」を意味し、
日本語の1つ目の意味と同じになります。
「代償を払う事」とも言えます。動詞も「sacrifice」となります。
– We need to make sacrifices if we want to pursue our dreams.
(もし夢を追い続けるなら、犠牲がつきものだ)
– She sacrificed her career to look after her children.
(彼女は子供の世話のために自分のキャリアを犠牲にした)
【victim】の意味・使い方
「victim」は「事件、災害、状況などによる被害者、犠牲者、犠牲になったもの」を表します。
こちらは日本語の2つ目の意味と同じで、1つ目の「何かを代償に」という意味はありません。
動詞は「victimize」で「不当に扱う」という意味になります。
✖ Women are always sacrifices of such crimes.
〇 Women are always victims of such crimes.
(女性は常にそのような犯罪の犠牲となる)
→ここでは「代償」という意味ではないので、「sacrifice」は使えない。
– Public schools are becoming victims of the government’s superficial program.
(公立学校がその政府の中身のない計画の犠牲になりつつある)
– He has been victimized by his employer because of his sexuality.
(彼は自身の性的志向が原因で雇用主から不当な扱いを受けている)
【casualty】の意味・使い方
「casualty」も「victim」と同じで、
日本語の2つ目の意味の「犠牲者、犠牲になったもの」を表します。
– Their company was also among the business casualties of the pandemic.
(彼らの会社もパンデミックで犠牲となった企業のうちの1つだ)
– The world’s biggest supplier has become the latest casualty of the economic crisis.
(この経済危機で、新たに世界最大サプライヤーが犠牲となった)
【expense / price / cost】の意味・使い方
「expense」や「price」「cost」はどれもお金を意味する言葉ですが、
「犠牲」という意味でもよく使われる言葉です。
こちらも日本語の意味の1つ目と同じで「代償」の意味になります。
– We cannot pursue a profit at the expense of the environment.
(自然環境を犠牲にして利益を追求することはできない)
– She achieved her success at the expense of everything else.
(彼女はすべてを犠牲にして自身の成功を収めた)
– Children will pay the price if we don’t stop the pollution.
(もしこの汚染をとめなければ、犠牲になるのは子供達だ)
– He paid a high price just to become famous.
(彼はただ有名になるために、大きな犠牲を払った)
– We must win this game, whatever the cost.
(何を犠牲にしてでも、このゲームに勝たなければならない)
– Those developments came at a cost to people living there.
(そこに暮らす人々を犠牲にして、それらの開発は行われた)
【scapegoat】の意味・使い方
「scapegoat」は「身代わり、罪を被る人」をさし、その人自身は悪くない(もしくはその人だけが悪いわけではない)のに、何かの責任や罪をその人だけに負わせるような時に、「犠牲者」という表現でも使われます。
– She was made a scapegoat of a political agenda.
(彼女は政治的策略の犠牲者にさせられた)
– He became a scapegoat of the #MeToo movement.
(彼は#MeToo運動の犠牲者となった)
「生贄」などに訳しても良いかもしれません。
以上、色々な「犠牲」の表現でした^^
動画はこちら↓
間違えてない?「犠牲」は英語で「sacrifice」とは限らない。victim / expense/ scapegoat など その①#英単語 #英作文 #英検 #受験英語 pic.twitter.com/ezqLVGM5l6
— うなぎ先生の英文法の復習 (@unagi01446720) 2021年8月13日
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— うなぎ先生の英文法の復習 (@unagi01446720) 2021年8月14日
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