「これ以上~ない」という否定文でよく使われる
「not ~ anymore」「not ~ any further」「not ~ any longer」などの表現、
とても似ていて、ごっちゃになりやすいですね。
一度おさらいしましょう。
目次
【not ~ any further】と【not ~ any farther】
実は「further」と「farther」はどちらも「far」という単語の比較級です。
もともとは「farther」は「距離がより遠い」という意味のであるのに対し、
「further」は「(程度などが)さらに、これ以上」という意味で使われていましたが、
現在は「further」で距離と程度の両方を表せます。
例文)
– My dog doesn’t want to go any farther/further than our porch.
(うちの犬は玄関の外から先には行きたがらない)
– We don’t need to discuss this matter any further.
(この件に関してはこれ以上議論の必要はありません)
【not ~ anymore】と【not ~ any more】
「anymore」と「any more」は実はアメリカ英語では意味が異なります。
会話ではほぼ同じように聞こえるので、ライティングの時は多少注意が必要です。
- 「anymore」は副詞で「not ~ anymore」で「過去には~だったけれど、今は違う」ということを表します。
基本的に文末に置きます。
例文)
– I don’t love you anymore.
(もう君を好きじゃないんだ)←(昔は好きだったけど今は違う)
– He doesn’t work here anymore.
(彼はもうここで働いていない)←(前は働いていたけど今は違う)
- 「any more」は「some more」と一緒で、不特定の数量を表します。
基本的に「some more」が肯定文、「any more」が否定文・疑問文で用いられます。
和訳としては「他の、これ以上の」などと表現されます。
こちらは名詞の前に置きます。
例文)
– Do you have any more questions?
(他に質問がありますが?)
– I don’t want to listen to any more stuff from you.
(あなたからはもう何も聞きたくない)
【not ~ any longer】と【no longer ~】
「not ~ any longer」と「no longer」はどちらも同じ意味で、「not anymore」と同じく
「過去には~だったけれど、今は違う」ということを表します。
「any longer」は文末に置くのに対し、「no longer」はbe動詞の後ろ、一般動詞の前に置きます。
例文)
– Those people are not entitled to use the facilities any longer.
(その人たちは今後この施設を使う権利がない)
– I no longer have any interest in the contract.
(この契約にはすでに何の興味もありません)
【any further】【anymore】【any longer】の違いは?
「any further」は「距離的により遠くでない」という意味と、「(程度などが)それ以上でない」という意味の時に使います。
一方「anymore」「any longer」はどちらとも「昔は~だったけど今はもう違う」という意味で使われ、
「anymore」はよりカジュアルで一般的、「any longer」はよりフォーマルでビジネスライクな表現になります。
つまり
– We don’t need to discuss this matter any further.
は、「今まで議論した内容に付け加えてさらにもっと議論する必要はない」と言っているのに対し、
– We don’t need to discuss this matter anymore / any longer.
は、「これまですでに議論したので、今後はもう議論する必要がない」と言うニュアンスになります。
まとめ
- not any further は「距離」と「程度」2つの意味がある
- not anymore は「過去には~だったけれど、今は違う」
- not any longer と no longerは not anymore と同じ意味だけどよりフォーマル
以上です。