今回はTOEICなどの試験で頻出の接続詞
「whereas」と「while」についておさらいしましょう。
目次
従位接続詞・従属接続詞「subordinate conjunctions」とは
「whereas」や「while」などは「従位接続詞」または「従属接続詞」(subordinate conjunctions)と呼ばれ、
主節と従節(従属節)を結びつける接続詞をいいます。
接続するのは「節と節」のみです。
主節とはメインの節、一番言いたいことを表す節で、
従属節はその理由や条件、時などの補足的情報を表す節です。
従位接続詞に対して「等位接続詞」というものがあり、
こちらは文法上対等な物事を結びつける接続詞で、
節だけでなく語と語、句と句も結びつけることができます。
「and」や「but」などが、その例です。
従位接続詞「whereas」の意味と使い方
意味:
「whereas」は従位接続詞で、主節で述べている事柄と反対、もしくは大きく異なることを提示する接続詞になります。
事実や意見などの2つの事柄を対比させる目的で用いられます。
「~である一方で」「~であるのに対して」「~であるのに反して」などの意味になります。
使い方:
上でも述べたように「従属接続詞」とは、主節と従属節を結ぶ接続詞です。
この「whereas」は「従属節」の頭につく接続詞になります。
節と節を結ぶのが「従属接続詞」ですので、後ろには「節」がきます。
後ろに「名詞のみ」や「句のみ」などをとることは出来ません。
完全文(S+V節)である必要があります。
また、「whereas」の前には通常カンマを置きます。
カンマがないと間違い、というわけではありませんが、
(短文ではカンマなしの場合も多く、実際に英英辞書などにもカンマなしの例文も載っています)
主節と従属節が相反する独立した文であることから、カンマを用いることが良しとされています。
例文:
My father is quite talkative, whereas my mother is rather quiet.
(私の父は非常におしゃべりだが、母は大分おとなしい方だ)
The price of the electric vehicle is around $50,000, whereas diesel cars cost around 30,000.
(その電気自動車の価格は約5万ドルであるのに対し、ディーゼル車は3万ドル程度である)
Whereas the government promised the economic growth, the market sentiment has been dismal.
(政府は経済成長を約束したが、市場センチメントは依然停滞している)
※「whereas」が文頭にくる場合は、節と節との間に必ずカンマを置きます。
従位接続詞「while」の意味と使い方
意味:
「while」も従位接続詞で、大きく分けて下記の3つの意味があります。
・~している間に、~している間ずっと(同時進行)
・~にもかかわらず、~ではあるが(逆接)
・~である一方、~であるのに対し(対比)
使い方:
「while」も従位接続詞ですので、節と節を結びます。
後ろに「名詞のみ」や「句のみ」などをとることは出来ません。
ただし、「同時進行」の意味で使われる時で、
ふたつの節の主語が同じ場合はしばしば主語とbe動詞が省略されます。
例文:
I often listen to the radio while walking to work.
(歩いて会社に行く間、よくラジオを聴いている)*同時進行&主語とbe動詞の省略
While there was not enough evidence, he was convicted based on his confession.
(十分な証拠がなかったにも関わらず、彼の自白を根拠に有罪となった)*逆接
My family likes dogs, while I prefer cats.
(うちの家族は犬好きであるが、私は猫派だ)*対比
同時進行の「while」は「during」、
逆接の「while」は「although」と同じ意味になり、
対比の「while」が「whereas」と同じになります。
「during」についてはこちらもチェック↓
「whereas」と「while」の違い
上で示したように、「2つの物事の対比」に用いられる「whereas」と「while」は
どちらも同じ意味になり、置き換えが可能になります。
どちらもややかたく、フォーマルな表現です。
2つの違いは、「whereas」は「2つの物事の対比」のみに用いられるのに対し、
「while」は上で挙げたように3つの異なる使い方があります。
違いその1:
「同時進行」を表す「while」は「whereas」に置き換えることはできない。
〇 She watched YouTube while she was on the plane.
✖ She watched YouTube whereas she was on the plane.
(彼女は飛行機に乗っている間YouTubeを見ていた)
「whereas」には「~している間に」という意味はありません。
違いその2:
「逆接」を表す「while」も「whereas」に置き換えることはできない。
〇 While it was raining yesterday, they decided to go picnic anyway.
✖ Whereas it was raining yesterday, they decided to go picnic anyway.
(昨日雨が降っていたが、彼らはそれでもピクニックに行くことにした)
この「逆接」がトリッキーでして、「反対の事実を対比する」のを「逆接」だと思ってしまう方もいるのですが、
正確にいうとこの2つは異なります。
「逆接」というのは、「1つが成り立てば通常もう片方は成り立たないものを、あえて結びつけるもの」です。
たとえば、
「雨が降る」と「ピクニックに行く」は通常は成り立ちませんね。
雨が降ってピクニックに行く人は普通はいないと思うからです。
しかし、それをあえて結びつけて「雨が降ったにもかかわらず、ピクニックに行った」という文が
「逆接」で結び付けた文なのです。
「whereas」は2つの物事を対比しますが、「1つが成り立てば通常もう片方は成り立たない」という逆接を表すものではありません。
「I am a woman, whereas he is a man」のように、それぞれの事実はお互いに干渉しておらず、
ただ単に2つの異なる物事をならべて、その違いを示すだけです。
ですので、逆接の「while」を「whereas」に置き換えることはできないのです。
以上「whereas」と「while」の違いまとめでした^^